看護師の仕事では、前残業や持ち帰り業務、院内研修、研究などが時間外労働として扱われていることが少なくない。しかし、こうした時間外労働が多く発生してしまうと看護師はその職場に負担を感じ、離職してしまいかねないのが実情だ。人手不足の状況下でさらに人手が減ってしまうのは、現場としても痛手となるだろう。そこで必要となってくるのが、時間外労働に対する働き方改革だ。
まず、前残業や持ち帰り業務は、労働時間内で済ませられるような取り組みが必要だろう。たとえば、ICT化を進めて情報共有を容易にしたり、カンファレンスの時間を見直したり、前残業をせざるを得ない業務量を分散させたり、人員を増やしたりすることが挙げられる。ユニフォームへの着替えなどについても、労働時間内で行うように定められているのが実態だ。
そして、院内研修はあやふやになりやすいため、まずはしっかりと明確化するべきと言える。必ず参加しなくてはならないものなのか、自己研鑽のために自ら進んで参加するものなのかに分けるのだ。参加が必須のものは労働時間内で行い、自己研鑽のものは労働時間外として扱われる。ただし、参加しなければ業務に支障を来す、参加の有無で評価が変わるなどのような場合は労働時間内に収めるケースとして扱われるようだ。
時間外労働が削減できれば、看護師の負担も軽減される。こうした働き方改革に取り組んでいる職場は、看護師からの支持が得られやすいと言っても過言ではないだろう。